香道 - 「源氏香」お茶会 in Hawaii
ホノルルのジャパニーズカルチャーセンターでNPO日本香道の会によって開催された香道「源氏香」お茶会に参加してきました。
これは、香りを嗅ぎ分けるゲームの後にお茶とお茶菓子が楽しめるというもの。
日本の香道「源氏香」は室町時代から盛んに行われていたそうです。
そもそも香道「源氏香」は嗅覚の繊細さを使った賭博だったそうです。参加者は高価なものを持ち寄り最後に勝者が全部持って帰る、というルール。当時は一夫多妻制だったので、高価なものを全部失った男性は奥様を賭ける人もいたそう。
今回の参加者はほとんどが日本人女性でした。もちろん賭博ではなく単なるゲーム。
5種類の香木片が用意してありますが、全部使う訳ではなく25個の包装紙に包まれた香木を無作為に参加者が5つ選び、その5つを一つずつ香炉で加熱し香りを嗅ぎます。
煙は出ません。煙ではなく加熱して気化する油分の香りを嗅ぐのだそうです。
5つの香炉は参加者にまわされ、参加者は代わる代わる香を聞いて(嗅いで)いきます。
手を三角にして香炉の上にかざし、香りが溜まるのを少し待ってから鼻を近づけます。
5種類全部違う?全部同じ?1番目と3番目が同じで2番目と5番目が同じ?...等々推測します。後戻りは違反です。
香りを覚えておくのは難しいし、色々と嗅いでいるうちに最初の香りを忘れてしまいます。
私は、何かの例えや思い出に関連付けることで香りを覚えておくことにしました。
御焼香の匂い、埃っぽい匂い、古いタンスの匂い、木の匂い、あの時嗅いだ匂い、、等々
普段使っていない脳回路が働く感じです。
回答方法は、源氏物語の巻名。
参加者には香りの組み合わせと巻名の一覧を渡されているので、全員の前で発声し回答します。
(桐壺は「出席できません」、夢浮橋は「全然分からない」)
私の回答は外れでした。詳しく言うと1ペアは正解で残りの3つは不正解。
参加者は25名程でしたが正解者は3名でした。
正解者には団扇と香木のセットが贈られていました。
ゲームの後はお茶とお茶菓子。
お茶菓子の形も源氏香。これは須磨↓
家に帰ってから夜になっても香木を嗅いだ時の匂いが手のひらについていました。。
日本に住んでいなくても、日本文化を楽しむことができる。むしろ、日本から離れているからこそ、日本の文化に対する興味や関心が高まり、より深く触れることができるのだと思いました。日本に住んでいないからこそ、その魅力を新鮮な目で捉えることができるのかなと。海外で生活する日本人の楽しみは、そういうところにもあると感じています。
今回の主催者の方々は、他にサンフランシスコやパリ等でも同様のイベントを開催しているそうで、日本人よりも外国人の方が関心を強く示す傾向にあるとお話されていました。
参考までに、今回使用された香木は下記の5種類。
・伽羅(きゃら)ベトナムが産地。
・羅国(らこく)タイが産地。
・真那伽(まなか)マラッカが産地。
・真南蛮(まなばん)インド南西のマラバル海岸が産地。
・佐曾羅(さそら)インドのサッソールが産地。
全部、とても高価なものだそうです。
高価すぎるのが、華道や茶道のようには流行らなかった原因の一つだと言われています。
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