和敬清寂 ハワイ大学初釜
ハワイ大学マノア校にあるお茶室「寂庵」で開催の初釜に参加してきました。
これは、ハワイ大学で授業の一環として茶道を学んでいる学生達によって開催されるもので、学生の他にハワイ大学の卒業生やその家族が主に招かれます。
学生は日本人もいますが、着物を着て一生懸命にカタコトの日本語を話す日本人以外もいます。日本文化が好きな若い学生達。見ていて微笑ましく、心から応援したくなりました。
さて、茶室の床の間には、裏千家15代目家元である千 玄室の御筆で「和敬清寂」。
左隅には百才の文字。2023年に100歳を迎えられ、その際に書いたものとのこと。
このハワイ大学にある茶室自体も50年前に彼によって寄贈されたものだそうです。
亭主はハワイ大学の学生で、今回その父親が客として参加していました。そして彼もまた昔ハワイ大学でお茶を学んでいたとのこと。世代をつなぐ歴史を感じるお茶会となりました。
お茶菓子は初釜らしくお餅。甘い白あんと牛蒡が包まれていました。
フワフワのおもち、美味し~い♡
お菓子の後はお茶。香りが高く美味しいお茶でした。
お茶碗はおみくじ式。お茶を飲み干した後、お茶碗の底に書いてある文字が見える仕組み。
私は末吉。主人は中吉。
隣に座っていた女性が大吉で大喜びしていました。
拝見用のお茶碗のひとつは、石川県の陶芸作家の作品でした。
今年元旦に石川県を中心として起きた地震の一日も早い復興を願って、との説明でした。
茶室を出た後、普通はそのまま帰りますが、今回の企画は食事も用意されていました。
お茶室の半分が食事席として準備されており、小さなおせち料理、日本酒、お雑煮が運ばれてきました。日本のおせち料理とは少し違うタイ風春巻き等ものもありましたが、どれも丁寧に作られていて心がこもっていました。
ひとつひとつ学生たちが作ったそうです。
帰り際に講師の方から「裏千家15代目家元の千 玄室さんが来月ハワイ大学に講演に来られる」とお聞きしました。
今年4月には101歳を迎えられる玄室さん。
太平洋戦争の際には特攻隊員として志願したそうですが、隊員として飛び立つことはなく生き残り、戦後直後、アメリカ人が日本文化の偵察として茶道家元の家にやってきた時、彼らをお茶室に通してお茶を点てたそう。その経験から「一盌(いちわん)からピースフルネスを」の理念のもとにお茶と平和を世界に広める活動をされているそうです。
今回、私は祖母の家に眠っていた着物を着て行きました。多分100年以上経っているものだと思います。絹の高級感ある着物ですが、大小様々なシミが表裏に無数についていて、着物として着るのは難しいと思っていましたが、水で薄めた中性洗剤でシミ取りに挑戦したところ、超ビックリ、大きなシミが取れたんです。50年以上も付着していたシミが日本からハワイに来て取れたんですよ!嬉しくて、今回の初釜に着て行きました。
ハワイ大学での日本文化。裏千家15代目家元の千 玄室さん。祖母の古い着物。
世界の歴史と日本文化、人々の人生を大きなスケールで考えるきっかけとなり、また色々な人に心から感謝の日となりました。
AIで作った今回のイメージ。
お盆が置いてあったり、お茶碗が茶道用でなかったり、何度も修正を試みましたが修正されず、このあたりで妥協。
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